年々暑くなっている日本の夏。熱中症にかかる方も増えています。そのため、街中のドラッグストアをのぞけば「熱中症対策コーナー」が、店頭の目立つ場所に設置されているのをよく見かけるようになりました。様々な熱中症対策グッズがある中で、今回注目したのは「飴・タブレット」。熱中症予防に効果的な飴・タブレットについて探ってみたいと思います。


熱中症対策に飴、タブレットは効果があるのか?

改めてまず、熱中症がどのような症状なのかについておさらいをしたいと思います。

気温が高くなると、体温も上昇します。すると人間の身体は「平熱」を保とうとするため、一定の体温を超えるとその体温を下げようと、体内から汗を出そうとします。

そしてその汗が大量に体外へ流れ出てしまえばその分、体内の水分は少なくなります。また、汗にはナトリウム(塩分)も含まれているため、つまりは「水分+ナトリウム成分」の両方が減少することになります。

仮にそのまま水分補給などを行わずに汗を流し続けると脱水症状が進行し、やがて体温の調整機能がうまく働かなくなってしまいます。その結果、体内の内臓機能の働きが極度に低下してしまうことによって、熱中症が発症してしまうのです。

そこで熱中症を未然に防ぐために重要になるのが、水分と塩分(ナトリウム)の補給となります。一般的な熱中症対策としては、「経口補水液」や「スポーツドリンク」「麦茶」などの飲み物を摂取することを皆さん想像されると思います。

その点、今回注目する飴やタブレットなどの固形物は、基本水分を多く含んでいませんので、それだけを摂取することが熱中症対策になるわけではありません。

しかし飴の中でも「塩飴」と呼ばれるジャンルに関しては、「塩分(ナトリウム)」「ミネラル」「糖分(エネルギー)」等が、小さな一粒の中にも豊富に含まれています。この小さな一粒の中に、熱中症対策に効果的な成分が凝縮されていることが、飲み物とは違う、飴のメリットとなります。

そのため、例えばすぐに水分を摂取できないような環境にいる時でも、ポケットから飴を一粒取り出して口に入れるだけで、最低限の熱中症対策を手軽に実践することができます。

※ただし塩飴を多くなめすぎると、逆に塩分の大量摂取による別の症状(高血圧等)を引き起こす可能性があるため、摂取量には注意が必要です

その後、時間を見つけて水分を摂取すれば、より効果的な熱中症対策が可能になります。


人間の生理機能が正常に働く「塩飴」5選

それでは、実際に熱中症対策に効果的な「塩飴」とは、どのようなものでしょうか?巷で人気のある塩飴を5つ、ご紹介します。

熱中飴(井関食品)

その名もズバリ「熱中飴」とわかりやすいネーミング。

特にこの飴は一粒当たり300mg超の塩分が含まれる上、さらに「強いレモン風味」によって「塩辛さ」と「酸っぱさ」が程よくブレンドされています。そのため、とてもなめやすく、また口の中に爽快感が広がり、気分もスッキリします。

匠の塩飴(サラヤ)

こちらも「塩飴」と大々的にPRしています。

この飴の特徴は、塩飴としては珍しく「マスカット味」を取り入れている点。マスカットならではのフルーティな味わいを実感できるので、お子さんでも美味しく塩分を摂取できます。

男梅(ノーベル)

CMでもおなじみの「男梅」。

「1粒に梅1つ分の梅果汁入り」と聞くと、かなりしょっぱいイメージがありますが、実際は塩分とミネラル、そして梅が持つクエン酸を程よい酸っぱさと甘さで、無理なく摂取することができます。

塩あずき(UHA味覚糖)

北海道産の小豆を使用し、まるで「おしるこ」のような優しい甘さを感じるのが特徴。特に女性に人気で、デザート感覚で塩分を摂取することができます。

塩サイダー(UHA味覚糖)

塩分をはじめ「ビタミンA/C/E」を配合することで、手軽に熱中症対策ができる点と、「サイダー」という名の通り、口に含んだ瞬間に広がる「シュワシュワ」っとした炭酸のような爽快感が、暑い時期にピッタリです。


注目が集まる「塩分タブレット」ってどんなもの?

塩飴をいくつかご紹介しましたが、最近ではさらに手軽に塩分を摂取できる「塩タブレット」なるグッズが登場しています。

飴よりもさらに小さなサイズの中に熱中症対策に必要な成分が凝縮されていることや、飴ほど長時間口に含まず、すぐに溶けることが特徴。そのため、より手軽に塩分やミネラルなどを摂取できるので、年々人気を高めています。

例えば塩分タブレット分野で人気の「塩分チャージタブレッツ」(カバヤ)は、一粒当たり「クエン酸148mg」「食塩0.11㎎」を含有しつつ、一粒ずつしっかり包装されています。飴と比べてべたつかず、ポケットからさっと取り出し、手軽に摂取できる点が人気のようです。

他にも

●  塩分補給にポータブルソルト(マルニ)

スタンダードな携帯タブレット容器に入っていて、手軽に補給しやすいです。

●  力塩(門)

こちらはボトル容器に入っていて、水と一緒に摂取することを前提にしています。

●  固形食塩 タブソルト(内藤商店)

本格的な食塩を摂取できるタブレットです。

●  雪塩アスリートソルト(パラダイスプラン)

宮古島の地下海水から作ったという「雪塩」にブドウ糖を配合。アルミパウチ入りなので携帯中も音がしません。

といったようなグッズも人気です。

ただしこうしたタブレットタイプも、摂取しすぎると塩飴同様、塩分などの過剰摂取につながってしまいます。商品にもよりますが、1日あたり、1~2粒程度で十分必要な塩分やミネラルは摂取することがきます。摂取する際には、必ず成分表示を確認した上で、適正の量を摂取するようにしてください。

 

今回のテーマとは別に、熱中症予防の効果が期待できるドリンクを紹介している「熱中症予防に効果が期待できるドリンク10選」、熱中症要望で日々、摂取を心がけたい栄養素や食材について書いている「熱中症予防・対策で知っておきたい栄養素と食材とは?」という記事もありますのであわせてご確認いただき、暑さに負けず、健康的な毎日を送ってくださいね。

 

*本内容は記述時点で入手している情報をもとに執筆された原稿であるため、その内容の実現や確約、正当性をお約束する趣旨のものではありません。あらかじめご了承ください。


参照、引用元

熱中SHOW救護室 熱中症と塩・体が塩を求める理由

インフォトライブ 熱中症対策は飴が効果的!グッと高まる画期的な食べ方はコレ

ケンコーコム 塩タブレット・塩サプリメント

テルモ体温研究所