欧米諸国に比べて日本人の睡眠時間はかなり短いと言われています。特に真夏や残暑が厳しい季節はジメジメとした湿気による寝苦しさもあり、多くはなかった睡眠時間がさらに短くなってしまいます。睡眠の長さと質をキープすることは、健康的な生活のためにとても大切です。今回は、安眠が人間の身体にもたらすメリット、スムーズに眠るための生活習慣について確認していきましょう。また、熱帯夜でも快適に眠りにつける安眠グッズについても紹介します。


安眠が身体や翌日にもたらすメリット

普通に日常生活を送っていれば、ある程度の時間、集中力を使って運動や仕事、勉強などをすることで、多くの方は「疲れ」を感じるはずです。

この「疲れ」の感覚は、自律神経中枢の細胞で活性酸素が発生し、酸化が生じることが原因で起こります。自律神経は呼吸や消化吸収、血液循環、体温維持など、身体の重要な器官の調整を担っている神経ですが、睡眠不足になると自律神経の回復ができないため、身体のさまざまな機関が本来の機能を果たせない状態となり、「なんとなく調子が悪い」という自覚症状が出たり、自律神経失調症等の原因となったりします。酸化が生じた自律神経を回復させるには、睡眠を取ることが一番良いとされています。

また、睡眠は見た目に現れる「疲れ」にも効果があります。「寝不足で肌が荒れている」という話はよく聞きますが、こうしたお肌のトラブルは、睡眠時に分泌される成長ホルモンが十分に体に行き渡っていないことで引き起こされている可能があります。就寝2〜3時間後に分泌される成長ホルモンは細胞修復の効果があり、肌や内臓の細胞の入れ替えに作用します。睡眠の長さがたりなければ、成長ホルモンは十分に分泌されないのです。

さらに最近では、睡眠不足が免疫力や記憶力の低下、肥満の原因になるだけでなく、糖尿病、ガン、心臓病といった恐ろしい病気のリスクを高めるともいわれています。

ぐっすり気持ちよく眠ることは、日々の疲労回復はもちろん、肌荒れや夏特有の自律神経失調症である夏バテの予防にもなりますし、アルツハイマーなどの病気や多くの健康被害から自身を守ることにもつながります。


安眠をもたらす生活習慣

健康的な生活に安眠が欠かせないことが分ったところで、安眠をもたらす生活習慣について、簡単にできるものから紹介していきたいと思います。

1 太陽の光を浴びる

毎日できるだけ同じ時間に起床し、太陽の光を浴びましょう。直射日光でなくても、部屋に差し込む程度の光でも問題ありません。太陽の光を浴びることで人間の体内では、心の安定や覚醒に作用するセロトニンという物質が分泌されます。このセロトニンは、太陽光を浴びて14〜16時間経過した後にメラトニンという自然の眠気を誘う物質に変化します。メラトニンが十分に分泌されれば、睡眠がより深くなり、安眠につながります。

2 軽い運動をする

激しい運動ではなく、散歩やストレッチ程度のもので十分です。科学的には解明されていませんが、軽い運動によって血流が良くなり、睡眠に良い影響を与えると言われています。逆に激しい運動はオススメできません。特に仕事の後に激しい運動をすると、その日の仕事で負担のかかった自律神経にさらなる負荷をかけることになり、睡眠の質が悪くなる可能性があります。

3 ぬるめのお風呂に入る

38〜40度程度のぬるめのお湯に10分程度浸かるのが健康維持に効果的と言われています。あまり熱いお湯では自律神経に負荷がかかってしまいます。お風呂に入ることで体温が上がり、血管が開きます。血流の良くなった身体から熱が逃げていくので、ベッドに入る頃には体温が下がって寝付きやすくなるのです。

4 寝る前にパソコンやスマートフォンの画面を見ない

寝る前にパソコンやスマートフォンの画面を見ると脳が活性化してしまうだけでなく、画面から出るブルーライトが眠気を誘うメラトニンの分泌を抑制してしまうため、睡眠の質が下がってしまいます。


安眠をもたらすおすすめグッズ5選

ここまで安眠が人間の身体にもたらすメリット、安眠をもたらす生活習慣について紹介してきましたが、寝苦しい真夏や残暑が厳しい季節はどうしても睡眠リズムが乱れ、安眠が阻害されがちになりますよね?

もちろんエアコンも便利なのですが、長時間使い続けることで体調を崩してしまうことあります。そこで活用したいのが安眠グッズです。最近では通気性・吸収性に優れた寝具も豊富に揃っていますが、ここでは特にオススメのグッズを5つほど紹介します。

空調ベッド風眠(空調服)

体重を支えながらもクッション性を失わないスーパースペーサー技術、身体を浮かした空間に送風する風路技術など、さまざまな独自テクノロジーを採用することで快適な睡眠を実現した空調マットです。空調ベッドはマット内部に毎分370ℓの風が流れ、不快な熱や湿気を排出します。

グラース まくらカバー(Francfranc)

接触冷感素材とコットンガーゼ素材を組み合わせたリバーシブル仕様のまくらカバー。その日の暑さによって、ひんやりした感触の接触冷感素材面、さらっと快適な肌触りのガーゼ素材面を切り替えて使える点が便利です。

Cool Liv Fine/リバーシブルケット(昭和西川)

寝具で有名な西川グループが販売するひんやり寝具「Cool Liv」のリバーシブルケット。熱伝導に優れた繊維を使用しているため、寝返りの間に溜め込んだ熱を拡散して朝までひんやり感をキープ。抗菌・防臭のポリジン加工も魅力です。

アイスノン シャツミスト(白元アース)

衣類にスプレーして使用する冷涼剤なので、寝る前にパジャマにひと吹きするといった使い方ができそうです。衣類についた汗のニオイを消臭・除菌する効果もあります。

マジクール フィット(大作商事)

水を含ませるだけで涼感が得られるネッククーラー。ポリマーが水を吸収して本体が膨らむ仕組みは他社製品と変わりませんが、マジクール フィットは冷感試験をくり返して最も冷感効果の高い超微細ポリマーを使用していることが特徴。また、肌触りにも配慮して厳選したコットンを採用しています。

このようにマット、まくら、ブランケット、冷涼剤など、各社から様々な商品が発売されています。寝苦しい季節を上手に乗りきって安眠を手に入れるためにも、自分に合ったものを選ぶようにしましょう。

 

今回は安眠グッズについてご紹介しましたが、労働における睡眠の重要性について「眠気を覚ましスッキリ働くために 睡眠管理が現場の生産性を高める!」や「睡眠について意識している? “どう眠るか”が現場の生産性を変える」でご紹介していますので、ぜひあわせて読んでみてください。

 

 

*本内容は記述時点で入手している情報をもとに執筆された原稿であるため、その内容の実現や確約、正当性をお約束する趣旨のものではありません。あらかじめご了承ください。


参照、引用元

世界睡眠会議「夏バテは睡眠で予防する!」

夏バテは睡眠で予防する!脳の疲労をためない夏生活のすすめ

OMRON「vol.141 睡眠が健康に与える影響――睡眠は「時間」も大事だが「質のよさ」がもっと重要!」

睡眠・快眠情報ブログ「睡眠不足は危険がいっぱい!睡眠の質を高めて健康リスクを回避する方法」
睡眠・快眠情報ブログ「夏の寝苦しい夜にエアコンを使わず乗り切る方法!暑さ対策6選」