今や企業活動において「温暖化対策」は必須。うまく取り入れることで企業ブランドの向上に繋がります。一方で各企業からは、「何を取り組めば良いかわからない」「温暖化対策に予算を投じる余裕がない」といった声も聞かれます。そこで今回は、ビジネススキームを変えることなく、最小限の予算で実施できる「空調服」を使った「温暖化対策」についてご紹介したいと思います。

温暖化対策は第2フェーズ。実施効果が企業ブランディングになる

「京都議定書」という言葉とともに、日本のお茶の間にまで浸透した「地球温暖化」。話題という点において一時期の熱は冷めたものの、その取り組みは着実に進んでいます。最近の動きとして2016年に発効した「パリ協定」により、全ての国が温暖化の原因といわれる温室効果ガスの削減に取り組むことを約束した枠組みが制定されました。

2017年の6月に米国・トランプ大統領の同協定の離脱宣言など紆余曲折の状態にありますが、二酸化炭素の排出量削減は、特に企業において世界的な潮流となっています。

2017年3月17日には、IEA(国際エネルギー機関)が「2016年の二酸化炭素排出量が32.1ギガ(ギガ=10億)にとどまった」とする推計を公表しています。この推計が何を意味しているのか。2016年は前年比で世界経済が3.1%成長したなかで、過去3年間のCO2排出量がフラットに推移している、このことをIEAは(1)再生エネルギーが普及し(2)石炭から天然ガスへの転換が進み(3)省エネルギーが進展(4)産業構造の変化 –という4つの要因が作用していると指摘しています。

国内においても、地球温暖化対策は進められています。例えばWWF(世界自然保護基金)ジャパンは、業種ごとに「企業の温暖化対策ランキング」を調査、発表。ここで取り上げられる先進的な企業は、温暖化対策を事業のなかにうまく取り入れ、地球環境に考慮するという大義名文を果たすのはもちろん、企業ブランドの向上にも成功しているようです。

こういった潮流を理解しつつも、温暖化対策のコストや担当人員を割けない、良い案が浮かばないといった企業も少なくありません。そこで今回は、手軽かつ確実に“温暖化対策”する方法のひとつとして、快適現場プラスでもたびたび紹介している、株式会社空調服が販売する「空調服」の導入という解決策をご紹介したいと思います。

 

株式会社空調服の市ヶ谷会長も省エネ問題から「空調服」を生み出した

「空調服」が温暖化対策にどう活用できるのか。それを知る前に、すこし「空調服」が生まれた背景に触れてみたいと思います。

「空調服」は、株式会社空調服の現会長である市ヶ谷弘司氏が生み出した、同社のオリジナル製品。この唯一無二のユニークな製品、実は市ヶ谷氏の1998年の東南アジア旅行が開発のきっかけとなっています。当時の東南アジアは発展著しく、高層ビルなどが建設ラッシュを迎えていましたが、それらのビルを訪れるたびに“効きすぎるクーラー”に、市ヶ谷氏は「このペースで東南アジアがエアコンを使い続ければ、エネルギー危機につながり環境問題に発展してしまうのではないだろうか」と懸念をいただいたそうです。そこから生まれたのが、エアコンを使わずに涼感を得られるアイテム=「空調服」なのです。

つまり「空調服」は、生まれるきっかけからして“省エネ”を目的とされていたのです。

さて、それでは「空調服」を利用することで具体的に、どれくらいの温暖化対策≒省エネ対策を実施できるのでしょうか。

空調服とは服に付いた小型ファンで、服の中に外気を取り入れることで体表面の汗を気化、気化熱の原理で涼しく快適にすごせるもの。例えば屋内作業において、クーラーの代わりに、単三乾電池4本で駆動する「空調服」を各社員が着用すれば、電力および二酸化炭素などを含む排出ガスの抑止につながります。

もう少し大きな見地でいえば、東京の場合、10年に一度ほど40度を超える日がありますが、その際の大量の電力消費に伴う停電を防止するために、相応の発電設備を備えておく必要があります。しかし、皆がクーラー頼りではなく、「空調服」を着用するようになれば、原子力発電所を含めた発電設備を大幅に縮小することになり、地球温暖化対策につながるのです。

 

“省エネ”ではなく、十分な代替案を用意した“抑エネ”という考え方

いかがでしたでしょうか。

温暖化防止に「空調服」を利用するのは、いくつかある最適な手段のひとつです。一方で今回の例により、温暖化防止には必ずしも大きな仕組みや、特別な予算、人員が必要なことではない、ということがわかっていただけたとかと思います。

同時に、温暖化対策ありきで、企業における従来の生産能力を落としたり、必要機器の使用を制限するという“省エネ”ではなく、これまでの企業活動に悪影響を及ぼさない、代替案をしっかり考えた方法こそ、有効だと快適現場プラスの編集部は考えます。

つまり“省エネ”ではなく、十分な代替案を用意したうえで、これまでの無駄をなくしていく“抑エネ”こそ、これからの時代の温暖化対策に必要なのではないでしょうか。

なお、この記事を読んで空調服に興味を持った方は、下記の参照サイトもあわせてご確認ください。

株式会社 空調服ホームページ

「現場を快適にする「空調服」が地球温暖化防止活動環境大臣表彰を受賞」

「熱中症を防ぐ「空調服」を支える技術 “生理クーラー理論”とは」

暑さ対策で効果てきめんの空調服が地球環境を救う?

類似品に注意! オリジナルの空調服にはどんなタイプがあるの?

*本内容は記述時点で入手している情報をもとに執筆された原稿であるため、その内容の実現や確約、正当性をお約束する趣旨のものではありません。あらかじめご了承ください。

 

参照、引用元

日本経済新聞 日本の温暖化対策、「省エネ」一本やりの限界
WWFジャパン