近年、いろいろなところで話題に登る「働き方改革」ですが、養命酒製造調べの「東京勤めのビジネスパーソンの疲れの原因」によると働き方改革によって「日々の疲れが倍増した」と答えた人が41%にも登るようです。このように「疲労」が日常化している中、一方でリラックスできる時間を作ったり、サプリを利用するなど体調の管理したりすることで疲れを日常化させない生活ができている人たちもいます。この違いはどこにあるか。日々の疲れとの向き合い方、疲労回復法のランキングなどと共に確認していき、その違いをみていきましょう。

 

みんなが「疲れ」を感じる原因ランキングTOP10

さて早速ですが、何をするにもベンチマークは必要です。「自分はこうだけど、周りはどうなんだろう」と言うあなたの声にお答えするため、今回はマイボイスコム(株)が2018年に行った「疲れ・疲労に関するアンケート調査」を元に、みんなが「疲れ」を感じる原因ランキング1~10位を作成しましたのでみていきたいと思います。

まず10位から4位まで。

 

10位 不規則生活

9位 緊張感を伴う・神経を使う・集中力が必要なことが多い

8位 その他のストレス・悩み

7位 仕事や勉強

6位 人間関係のストレス・悩み

5位 同じ姿勢でいることが多い

4位 睡眠不足

 

9位の「緊張感を伴う・神経を使う・集中力が必要なことが多い」に関してですが、人間の集中力の限界は15分説、20分説などがありますが、総じて集中できる時間というのは想像よりも短いものです。学校の授業時間はこれに基づいて設計されているなんていうのはよく聞かれる話です。

一方で、現実社会では2時間を超える会議なんてざらにあります。集中力も切れ、大きなストレスになるのは周知の事実ですが、中々変えるのは難しいようです。

また、4位の睡眠不足においても諸説ありますが、人によっては「4時間がいい」というショートスリーパーの人がいたり、「8時間は必要」というロングスリーパーの人がいたりします。レオナルドダビンチは4時間に1回 15分の睡眠を取っていて、一日の睡眠時間は平均で約2時間程度だったと言われていますが、果たしてそれがいいことなのかは疑問です。

では続いてTOP3を見ていきましょう。

 

3位 目の使いすぎ・スマホ、PCの画面を見る時間が長い

まさに現代ならではの疲れの原因です。特に20代~50代以上の方は2012年から2016年でスマホの利用時間が倍に伸びています。

(出典:スマートフォン経済の現在 と将来 – 総務省

 

2位 加齢

今も昔も変わらない、誰しもが経験する「老い」。フランスの作家ヴィクトルユゴーの言葉に「40歳は青年の老年期であり、50歳は老年の青春期である」という言葉がありますが、心は若いつもりでも体が追いつかないという現象が疲労を感じさせる原因になるのでしょう。

 

1位 運動不足

年々、パソコンやスマホでする仕事が増え、オフィスから一歩も出ないことも多くなってきた昨今、運動不足は深刻な問題になっています。あえて運動不足と書かなかった人にも感じていた人は多いような気がします。

 

みんなが「疲れ」をとるためにすることランキングTOP10

さて、では次はそんなときにどうしているのか。同調査を元に「疲れた時に何をしているか」を見ていきたいと思います。

同じように10位から4位まで、行ってみましょう。

 

10位 栄養バランスのよい食事

9位 温かいものを飲食する

8位 運動、体を動かす

7位 自分が好きなものを飲食する

6位 甘いものを飲食する

5位 マッサージ、ストレッチなど

4位 ぼーっとする

 

自分にあてはまるものはありましたか。

温かいものや甘いものなど、体が求めるものを食べるというのが多いようです。疲れた時は自分を甘やかすのも一つの解消法となっているようです。ちなみに甘いものに関しては女性の回答が多いようです。

5位のマッサージなどは体を休めると共に、少し贅沢をすることで心も休めることになりそうです。

8位の運動や体を動かすに関しては、最近フィットネスも発展して、暗闇で自転車を漕いだり、ボクシングをしたり、いろんなものがあります。

 

3位 入浴、半身浴など

疲れた体にあったかいお風呂は最高の贅沢です。汗と一緒に疲れが出るという感覚、デトックス効果などには科学的根拠はないようですが、リラックスできる人は多いでしょう。

 

2位 体を休める

疲れたら、休む。単純明快ですが、とてもわかりやすい方法です。

 

1位 寝る

上に同じく。疲れた時に無理やり何かするより、諦めて寝る。「果報は寝て待て」とはいいますが、肉体疲労のみならず、頭を切り替える、気持ちをリセットするためにも睡眠はやはり欠かせません。

 

自分の疲れの質を知り正しい対処法を!

このように疲れを感じる瞬間とその時の休み方には千差万別あり、疲れた時にもその対処法がありますが、果たしてそれは「正しい休み方」なのかという疑問もあります。

たとえば、寝ると疲れが取れるのかといえば、もちろん一定の疲れは取れますが、「お昼前まで寝ていて、起きたら普段より疲れていた」なんていう経験もあると思います。これは食事や遊びでも同じで、適度というものが必ずあります。また寝ていないからと栄養ドリンクを飲むのはどうでしょうか。確かに効果はありますが、それが疲労回復のための正しい対処とはいえないでしょう。その疲れに、その対処法でいいのか。ここからは、そんな正しい休み方について考えていきたいと思います。

正しく休むためには、その疲労がどのようなものなのかを知り、その上で正しい休み方を実践していく必要があります。

疲労は大きくわけて2種類あります。1つは肉体的な疲労で、もう1つは精神的な疲労です。

 

肉体的疲労とは

いわゆる「乳酸」が体内にたまり、筋肉が貼ってしまっていたりする状態です。これが慢性化していくと、腰であれば坐骨神経痛や、椎間板ヘルニアの原因になったり、手首であれば腱鞘炎の原因になったりします。慢性化するかどうかの目安は3カ月になります。長期間、同じ部位に強い負荷がかかっていたり、痛みがある場合は慢性化しないように気をつけましょう。

 

☆原因

・肉体的に負担がかかっている

☆症状

・体が重い

・体の可動範囲が減った

・運動すると余計に疲れる

 

精神的疲労とは

端的に言うとストレスが溜まっている状態です。精神的な疲労は休息などで解消しないことが多く、疲労が取れないことでさらにストレスを溜めてしまい、悪循環に陥ることが多くなります。原因がわかっていればいいですが、大体において原因の特定が難しく、解決に時間がかかるものが多いのも特徴です。

 

☆原因

・個人差が激しく特定が難しい

☆症状

・体のだるさと共に、ネガティブな気持ちになる

・休んでも疲れが取れない

・しんどいとは思うけど頑張ろうとしてしまう

・よく眠れない

 

このように肉体的疲労と精神的疲労では症状や対処法がかなり変わってきます。たとえば、精神的疲労に対して疲れを取るために栄養ドリンクを飲んでも効果は期待できなそうです。一方で、肉体的な疲労に対して、運動しても余計に疲れるだけで、解決にはなりませんが、精神的な疲労に対して、適度な運動はとてもいい対処法となります。

このように自分の疲れの原因をしっかりと知った上で適切な疲れの取り方を考えるのが、いい疲れの取り方だと言えます。

ただ、ときには肉体疲労と精神疲労が明確に分かれていない場合もあると思います。たとえば「気分が乗らないから、体がダルイ」とか、逆に「体が疲れているから、気分が上がらない」ことも多いでしょう。

だからこそ、正しく疲労回復することで、肉体も精神も同時に回復することがあります。たとえば「寝る」ことや「入浴」することは肉体の休養にも、精神の切り替え、どちらにも効果がありそうです。もちろんやりすぎは毒です。

基本的には足りてないことを補うのが休息の基本だと思います。それを踏まえた上で、明確な回復方法をプランニングしていきましょう。

具体的な疲労回復プランについては、次の「あなたの疲労タイプは? サプリ&ストレッチで蓄積させない3つの新習慣」を参照ください。

 

まとめ

健康状態を分析、適切な対処をすることで、より疲れにくく、健康な日々を送ることができます。特に日本人は「休み方が下手」とよく言われています。「適切な休み方」や「休みの過ごし方」を選ぶことで、少しでも豊かな生活を送っていきたいものです。

 

参考資料

養命酒製造「東京で働くビジネスパーソンの疲れの実態に関する調査2018」

マイボイスコム株式会社「疲れ・疲労に関するアンケート調査」2018

7ドリーム「精神的に疲れた…心を回復させるシンプルな3つの方法」

グリコ「疲労回復におすすめの方法を、毎日の疲れが取れないあなたに」

東洋経済オンライン「事実!一流と二流は「休み方」に大差がある」吉越浩一郎