真夏の熱中症対策グッズとして、電動の“扇風機”がついた「ファン付きウエア」、いわゆる【空調服】が注目されています。建築業や製造業などの現場では、すでに馴染み深いアイテムになっている空調服ですが、毎年進化を重ねています。これから続く暑い季節に快適な働き方、過ごし方をするならば欠かせない空調服の最新事情をまとめました。

 

ファン付きウェア導入で望める4つの効果

現場を快適にするアイテムとして幅広く支持されているファン付きウェア「空調服」ですが、その支持される理由を簡単にまとめるならば、それはその効果の幅広さです。現場でのニーズが変わっていけば、求められる効果も変わっていきますが、まずはそれぞれ効果ごとに空調服が持っている今使うべきメリットを整理してみていきます。

 

1)働く人の健康を守る

空調服といえば、まず思い浮かぶのが熱中症対策です。熱中症は、人体に熱がこもり体内のさまざまなバランスが崩れることによって起こります。その症状は、めまいや吐き気などをはじめ、さまざまな形で表れます。空調服は汗を気化させることにより、人体を冷やす構造になっているため、その予防になるというわけです。

また高温下での作業は、言うまでもなくその人を消耗させます。そして、その消耗はその場限りのものではなく、蓄積した疲労が体調に悪影響を与えることになります。いわゆる「夏バテ」の症状である、食欲減退や疲労感のみならず、夏風邪に発展していく危険性もあります。空調服は夏場の疲労をあとに残さないという意味でも効果的なのです。

 

2)生産性の向上

空調服を着ていない場合、熱中症予防のためや疲労回復のために水分をこまめに補給したり、インナーを着替えたりするなど頻繁に休憩が必要になります。そのため、夏場はどうしても休憩の回数が増えてしまい作業効率が低下します。空調服はこの休憩の回数を減らす効果が期待できます。

その理由は、一言で言えば空調服を着ることで快適性が向上するからです。汗を気化させて人体を冷やす空調服は、着用することでインナーを着替える必要性を減らすことになりますし、高温による疲労感も軽減できるため休憩の回数を減らせ、結果的に生産性向上が望めるというわけです。

熱中症を防ぐ「空調服」を支える技術 “生理クーラー理論”とは

 

3)コスト削減

夏場の作業には快適に働ける環境を保つために必要なエアコンや扇風機といった機器が欠かせません。しかし、これらの機器を可動させるためには相応のエネルギーコストが必要になります。また、屋外環境や作業の工程上、密室を保たなければならない現場などでは使うことができません。

一方で、空調服はこれらの機器を動かすよりも安く、快適な現場を実現します。空調服の発明者である市ヶ谷弘司氏は「3万円(空調服一式+替えの服1着)の空調服を着て3年間作業すれば、エアコンを使ったときよりも約60万円が改善できる」と述べています。もちろん働く現場の敷地面積などにより差異はあるでしょうが、それでも大きなコスト削減が期待できるのです。

 

4)CO2削減につながる

省エネ効果があるということは、それはすなわち温室効果ガスの削減にもつながります。「省エネ法」の推進をはじめ、企業における温室効果ガス削減が進められるなかで、現場のエネルギー消費を抑えることができることでも空調服は注目を集めています。実際に、2017年には「空調服」を開発した株式会社セフト研究所が地球温暖化防止活動環境大臣表彰を受賞しています。

現場を快適にする「空調服」が地球温暖化防止活動環境大臣表彰を受賞

今後、現場での省エネ規制が進むことが予想されることを考えると、空調服のメリットは大きいといえそうです。

省エネ計算しないとまずい!「建築物省エネ法」対策を万全にする方法

 

進化するファン付きウェア「空調服」

ファン付きウェア「空調服」の効果は素晴らしいものですが、よく聞かれるのが「いかんせん、見た目がよくない」というものです。空調服はファンで汗を気化させるという構造上、服の内部を風が通過する際に服が膨らむ性質があります。その見た目は他にはない部分でもあるのですが、どうしても抵抗感がある人もいるようです。ただ今年発売された空調服では、その膨らみも抑えたモデルが登場しました。

■FANFIT空調服(混紡)ワンタッチファングレー 専用バッテリーセット 1810G25

https://item.rakuten.co.jp/pc2b/10000861/

 

株式会社空調服のHPによると、「ファンをベストな位置でキープしつつ、ファンが体にフィットすることで、空気をまとっているような一体感を実現した」とのこと。 また、デザインも毎年そのバリエーションを増やしています。カタログを見ただけでも迷彩柄やデニムなどカジュアルなものが目を引きます。デザインが増えたのは空調服ユーザーには嬉しいところです。

カタログはこちらから

デザインのみならず、機能性という意味でも性能が向上しています。前出の空調服のニューモデル「FANFIT」では、体を動かした際のファンのブラつきを解消し、狭い場所での作業のしやすさを改善しています。また、これまでは操作のたびにバッテリーをポケットから取り出す必要がありましたが、独自開発された外付けのコントローラーで、風量の切替えとバッテリー残量の確認が可能になり、より使いやすくなっています。

 

【利用シーン別】空調服の選び方

これまで夏場の現場作業専用の作業着のように考えられることが多かったファン付きウェア「空調服」ですが、現在は様々な利用シーンを想定し、その現場に最適なモデルが数多く用意されています。

高所作業から火気や電気を使用する現場、夜間作業向けの視認性を向上させたモデルなどさまざま。ここでは利用シーンに合わせて、それぞれのモデルの特徴を簡単にですが紹介していきます。

 

■フルハーネス安全帯着用者専用空調服

フルハーネス安全帯着用者専用空調服™です。背中部分からランヤードを取り出すことができます。もちろん空気は逃がしません。胸部分にはハーネスに取り付けた休止フックホルダーを表に出すことができる機能付き。ポリエステル素材タイプ、綿素材タイプと用途に合わせてお選びいただけます。

https://item.rakuten.co.jp/pc2b/10000554/

 

■チタン加工、肩補強のハイスペックタイプ

生地の内側に金属チタンをスパッタ法で形成し、赤外線・紫外線カット機能、消臭機能を備えた空調服™です。チタン加工によって直射日光の当たる屋外でも、赤外線による温度上昇を抑える事ができ、更に快適性を向上させた空調服™です。生地には空気漏が少なく、優れた撥水性・透湿性を備えたソフトな風合いの、東レの”エアコンテック® ”素材を採用しています。

https://item.rakuten.co.jp/pc2b/10000626/

 

 

■道路・鉄道工事向け JIS T 8127適合素材使用 高視認性安全服

素材には「JIS T 8127高視認性安全服」として求められる厳しい品質基準に適合した高い視認性を持った蛍光生地と再帰性反射材を使用。日中・薄暮時・夜間に着用者の存在を目立たせることで、人対車両事故等のリスクの低減を目的としたジャケットです。

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■酷暑期の屋内における労働環境改善・熱中症対策のための空調服

主に屋外作業員の、酷暑期の労働環境改善・熱中症対策を目的として株式会社関電工様と共同開発のもと誕生しました。

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全身に風が流れるつなぎタイプの空調服

つなぎ服のため、下半身にも風が流れます。生地はポリエステル75%・綿25%の高密度混紡生地を採用。帯電防止にも対応しています。ウエスト部を面ファスナーで調整すれば、下半身への風の流れを調節可能です。

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物流にぴったり! フード付ポリエステル製空調服

空気漏れの少ないソフトな風合いの東レの“エアコンテックⓇ”素材を使用しています。ヘルメットの上からもかぶる事が出来る大きさのフードは、襟元に収納可能です。裾廻りには調整紐を採用、裾廻りをお好みのサイズに調整可能です。生地に撥水加工が施されています。

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火を使う現場におすすめ! 綿100%の難燃空調服

綿100%生地に特殊加工を施した空調服™。綿の着心地と難燃性を両立しており洗濯耐久性のある素材です。

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ヘルメット作業も快適に行える空調服

生地に帯電防止素材を採用しました。空気漏れを少なくする為に、糸の織り密度を上げた、ポリエステル・綿混紡高密度ブロード生地を使用しています。フードをかぶることにより、作業用ヘルメットの中にも空気が流れます。高密度ブロードにより、洗濯耐久性、イージーケア性を高めています。

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■イベント・物流・運送業の方からスポーツ・アウトドアまで使える空調服

長袖を推奨していない物流・運送業の方、手元の風が作業に影響する方向け半袖空調服™です。ワークだけでなくスポーツ・アウトドアまで多目的にご使用いただけます。

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まとめ

日本の夏は年々暑くなっています。特に2018年の夏は猛暑となったために、暑さ対策への配慮、危機意識は高まっていると思います。そして、その対策としてファン付きウェア「空調服」はまだ導入していないのならば大きな効果が望めるアイテムです。仕事の現場のみならず夏場のスポーツ観戦やイベントへの参加、アウトドアなどでも活躍が期待できます。空調服の良さは「着ればわかる」と言われるところですが、まだ使ったことがないのならば、ぜひ一度使ってみて夏場の暑さ対策の一案として検討してみてはいかがでしょうか。

 

参考URL

株式会社空調服

https://www.9229.co.jp/