寒い季節、お風呂に入るとかじかんだからだをほぐしてくれリラックスできます。入浴にはじっくりと芯から温まることで、からだにも精神的にもよい効果があります。さらに効果を高めるには入浴剤を入れてみましょう。でも入浴剤って本当に効果があるの? 気休めじゃない? と思うかたもいるかもしれません。実は最近では様々な種類の入浴剤が出ていて注目を集めています。入浴剤の効果を知って、自分に合った疲労回復に利用してみましょう。

 

入浴&入浴剤の効果

・シャワーでは疲れはとれない

ゆっくり入る時間がない、毎日お湯を張るのが手間、水道料金がもったいないなどの理由で入浴をシャワーですませているひともいるかもしれません。お風呂に入るのとシャワーで終わらせているのとではからだの疲労回復度が段違いです。シャワーだけでは体温が十分に上がらないので、血液が循環せず疲労回復効果が低くなってしまうのです。

 

・入浴による作用

1、温熱作用

全身が温まることで血管が広がり、血流がよくなります。それによって新陳代謝が活発になり老廃物や疲労物質が流れ、コリがほぐれて疲れがとれるのです。また副交感神経が働いて精神的にもリラックスし落ち着いた気分になれます。

 

2、水圧作用

お風呂に入ると水圧を受けからだが少し縮みます。ウエストでいえば3~6cmも細くなるほどの圧力が静かにかかっているのです。この圧力で足にたまった血流が上にあがり、むくみも解消されます。また腹部にかかる水圧が横隔膜を押し上げて肺活量を減少させるため、呼吸の回数も増えて心肺機能も高まります。

 

3、浮力作用

水中では浮力がかかるのでからだが軽く感じます。お風呂に全身浸かった場合、体重は約1/9程度まで軽くなります。からだを支えている筋肉や関節の緊張がほぐれるため脳への刺激も穏やかになり、よりリラックスすることができます。

 

入浴の効果については、こちらの記事でも紹介しておりますので参考にしてください。

シャワーですませるのはもったいない! こんなに凄い「入浴のちから」

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・入浴剤の効果

では、入浴剤には本当に効果があるのでしょうか。大丈夫、入浴剤には入浴の効果を高めることが期待できます。ただし入浴剤によって特長が違うため得られる効果は変わってきます。入浴剤には大きく5つのタイプがあることを知っていましたか? ひとつずつ特長を見ていきましょう。

 

1、からだを温めたいときは「無機塩類系」

主な剤型:粉末

成分に多く含まれるミネラルなどが皮膚の表面のタンパク質と結合し、からだに保護膜を作ります。これが保温効果を高め、湯冷めしにくい効果があります。からだの冷えが気になる方や、寒い日にしっかり温まりたいときにおすすめです。

 

2、疲れを取りたいときは「炭酸ガス系」

主な剤型:錠剤

シュワシュワと泡を出す入浴剤です。お湯に溶けた炭酸ガスは皮膚から吸収され血管を広げる効果があるため、血行が促進され新陳代謝もより活発になります。発汗作用があり、老廃物や疲労物質も排出されやすくなるので疲れをとってくれるのです。

 

3、肩こりや腰痛、肌荒れには「生薬系」

主な剤型:粉末

生薬系は薬用植物系ともいわれます。商品によって配合されている生薬は異なりますが、配合される生薬の多くは血行促進効果があり肩こりや腰痛に効果があります。また陳皮のような生薬が含まれる場合は肌荒れや湿疹に効果があるといわれています。

 

4、乾燥する季節には「スキンケア系」

主な剤型:液体

保湿成分が配合されたタイプです。お湯に浸かって柔らかくなった肌に浸透し、表面だけでなく角層内部まで保湿が期待できます。肌をなめらかにするとともに、あせもやひび、あかぎれの予防にも効果が。またお湯に浸かると全身保湿することができるので、背中などケアしづらい場所までしっかり保湿できます。

 

5、暑い日やさっぱりしたいときは「クール系」

主な剤型:粉末、錠剤

メントールが配合されているので、湯上がりの肌がさっぱり感じます。実際にはからだはしっかり温まっていて、肌の温度は変わらないのですがメントールの成分が冷たさを感じさせるため、ひんやりさっぱりして汗のべたつきも気になりません。汗かきの方や夏場の入浴におすすめです。

 

また、入浴剤には香りや色がついているものが大半です。得たい効果のタイプの中から、自分の好きな香りやリラックスできるものを選ぶというのも大切です。

 

入浴剤の賢い使い方って?

使いたい効果のものを選んだらさっそく入浴剤を使ってみましょう。でもただ湯船に入れるだけでいいと思っていませんか? 実は入浴剤にも正しい使い方があります。上手に使えばさらに入浴剤の効果を最大限受けることができます。せっかくの効果を無駄にしないためにも気をつけるべきポイントをみていきましょう。

 

・お湯の温度は少しぬるめに

一般的に冬は40℃前後、夏は38℃前後のお湯にゆっくり浸かると効果的です。また効果をたくさん得ようと長風呂する方もいらっしゃるかもしれませんが、長風呂は逆効果になることも。入浴剤を入れている、いないに関わらず、40分以上の入浴は皮脂が流れ落ちてしまい肌が乾燥しやすくなるといわれています。体質により個人差はありますが、湯船につかる時間は15分程度で十分とされています。

 

・入浴剤を入れるタイミングは?

お風呂に入るときに一緒に入浴剤を入れ、溶かしながら入っていませんか? 入浴剤は実はお湯に溶けきった状態が一番効果を発揮します。炭酸ガス系の入浴剤は溶けていくときにシュワシュワと泡が出るので、その泡をからだに浴びるのがいいと思うひともいると思いますが特段大きな効果はありません。炭酸ガスがお湯に溶けきった状態で入るほうが全身に効果を感じられます。

 

・入浴剤はどのくらい効果がもつの?

入浴剤を入れてから時間が経ちすぎると効果は減ってしまいます。湯船に浸かる5分から15分前に入浴剤を投入しておくのがベストです。すぐ入れない場合も、入浴剤が溶けてから2時間以内には入るとよいでしょう。ちなみに入浴剤を入れた残り湯を沸かし直して入っても問題はありません。炭酸ガス系のものはガスの効果はなくなってしまいますが、ミネラル部分は残ります。またお湯の量が減っていたらお湯を足してその分、入浴剤を追加するのもいいでしょう。大量に入れすぎなければOKです。

 

・用量は守りましょう

大量に入れれば効果アップ!……というものではありません。入浴剤は製造会社がからだや負担にならないように計算して作っています。大量に入れてしまうと、かえって肌トラブルなどを引き起こす可能性もありますので注意しましょう。

 

・シャワーで洗い流さない

お風呂から上がるときシャワーでからだを洗い流す習慣があるかもしれませんが、入浴剤入りのお風呂ではこれも効果が半減してしまいます。入浴剤に入っている保温成分や保湿成分が一緒に洗い流されてしまうからです。湯船から出たあとはタオルで優しく拭き取るようにするとよいでしょう。ただし、まれに洗い流すように指示している入浴剤もありますので、入浴前にパッケージの使用方法を確認するようにしましょう。

 

オススメ入浴剤9選

【炭酸ガス系】花王 バブ メディケイティッド

入浴剤の代表格でラインナップも豊富な「バブ」。なかでもメディケイティッドシリーズはつらい疲れがたまったときにオススメ。高濃度炭酸が温浴効果を高め、冷えや肩こり、腰痛にききます。

 

【炭酸ガス系】バスクリン きき湯 マグネシウム炭酸湯(医薬部外品)

温泉由来の有効成分が凝縮されて配合されており、お湯全体に沸き上がる炭酸ガスの泡が全身を包みます。「きき湯」シリーズにはマグネシウム配合やカルシウム配合など豊富なバリエーションがあります。温まった血液が全身をめぐるのでからだの芯からぽかぽかになります。

 

【無機塩類系】アース製薬 バスロマン(医薬部外品)

保温効果が高く入浴後も温かくいられます。850gで300円台ととてもリーズナブルで大容量。さらに香りも豊富なので、自分の好きな香りを選んでリラックスするにはぴったりです。

 

【無機塩類系】アース製薬 温泉郷めぐり 入浴剤

人気の4つの温泉をイメージした入浴剤。香りや色も違い、温泉好きの方にお勧めです。疲労回復効果はもちろん、あせもやしっしん、にきびといったお肌のトラブル改善や、神経痛やリウマチなど温泉ならではの効果も自宅で手軽に期待できます。

 

【スキンケア系】花王 キュレル 入浴剤(医薬部外品)

化粧品シリーズとしても人気の高い「キュレル」の入浴剤です。弱酸性で赤ちゃんにも使えるお肌に優しいタイプです。保湿力が高いので乾燥肌や敏感肌の方におすすめ。

 

【スキンケア系】花王 エモリカ プレミアム 濃密うるおい肌

うるおいを保つヒアルロン酸やホホバオイル配合なので肌の角層まで浸透ししっかり保湿してくれます。柔らかで赤ちゃんにも使える優しさ。入浴後のぬめりがないのも魅力です。

 

【生薬系】ツムラ ツムラのくすり湯バスハーブ

トウキ、チンピやハッカ、カミツレなど生薬からの抽出エキスを有効成分としていて、肌を清潔に保つとともに乾燥を防ぎ潤いを与えます。からだも芯から温めてくれ、腰痛や肩こり、神経痛などの痛みを和らげるのにも効果的です。

 

【生薬系】バスクリン薬湯 すっきり発汗浴

「バスクリン」シリーズの生薬由来タイプです。生薬の効果でじっくりからだの内側から温めて冷えには抜群。入浴5分後にはかなりの汗をかくほどです。ただ温めて発汗させるだけではなく、ゴボウやレモン、セージといった植物エキスが肌を潤してくれます。

 

【スキンケア系】牛乳石鹸共進社 お湯物語 贅沢泡とろ

リッチな泡風呂が自宅で手軽にできてしまいます。たっぷりの泡が肌をケアしてくれます。ヒアルロン酸、コラーゲン配合でしっかり保湿も。贅沢にくつろぎたいときなど、がんばった日のご褒美的に楽しむことができます。

 

まとめ

入浴剤とひとくくりにしていたかもしれませんが、効果に合わせて様々な種類があることがわかっていただけたと思います。お風呂は一日の疲れを取りリラックスできる大切な時間です。その日の体調や気分によって入浴剤も使い分け、上手に疲労回復に役立ててみましょう。

 

 

<参考>

お風呂なび「入浴剤はどれを使ったらいい?入浴剤の種類と特長について」

ライブドアニュース「意外に知らない入浴剤の正しい使い方」

ピントル「正しく効果的に!入浴剤やバスソルトの上手な使い方」

mybest「入浴剤の最強おすすめ人気ランキング20選【温泉の素や保湿成分入りも】」