なぜ疲れてしまうの? そもそもあなたを悩ませている「疲れ」とは何でしょうか。実は疲れは休んでいるだけでは疲労は回復しません。ただ誰でもできる対処法はあります。疲れの本質を理解し「疲れを知らない生活」を送るためにはどうすればいいのか。そのための方法を見ていきましょう。

 

こんな時に感じる疲れ!「疲れ」ってそもそも何で感じるの?

そもそもどんな時に「疲れ」を感じるのでしょうか?

マイボイスコム株式会社による「疲れ・疲労に関するアンケート調査」によると「あなたが普段の生活で感じる、身体的・精神的な疲れ・疲労は、どのようなことが原因となっていると思いますか。(複数回答可)」という質問に対して、下記のような結果になりました。

 

以上の結果を見ると、「運動不足」、「加齢」、「目の使いすぎ、スマホ・PC等の画面を見る時間が長い」、「睡眠不足」、「同じ姿勢でいることが多い」など肉体的な疲労が全体でも多く、「人間関係のストレス・悩み」などの精神疲労はそれよりも若干少ないようです。

ただ家事や育児、介護など、仕事以外の部分での負担が原因となっていることも見過ごせません。これらが原因となって、別の疲労を生み出す結果にもなっているといえそうです。

ストレス社会に生きる今「精神的な疲れ」が注目されてきています。それは精神疲労に起因して、肉体疲労が引き起こされるシーンが多いからでもあります。

たとえば運動をすれば疲れます。これは「乳酸」などが体に溜まっている状態と言うのは世間に認知されてきていますが、特に激しく体を動かすなどしない限り、そのような疲労は日常的にはあまり起こりません。日々体を動かす仕事ならば確かに肉体疲労は蓄積しますが、その分普段から体を鍛えていますし、適切な質及び仕事量ならば大きく疲れを貯めることにはなりません。

やはり働きすぎていることや、別の何かをやらねばならないなどといったストレスによって、さらなる疲労が生み出されているとも考えられそうです。

 

疲れたからってぐうたらしてませんか? それも疲れる原因!

疲労の原因を考える上で難しいのは、原因や解決法が千差万別で一概に「これがいい」と言えないことです。精神的に疲れていることで脳の活動が散漫になるため、思考能力が低下し、判断力、注意力も低下します。ストレスがヒヤリ・ハットの原因となるように、現場で働く人にとって精神的な疲労は死活問題になるのではないでしょうか。

ここからは、そのような疲労を見分け、どう疲れを回復させればいいのか。その方法を考えていきましょう。

 

パターン1<純粋な肉体疲労を回復させる>

土曜日の夜に、疲れて帰ってきてそのまま寝てしまい、日曜日の昼過ぎまで寝ていて、起きると疲れが取れていた。

単純な肉体的な疲れです。その後は贅沢に昼間からお風呂に入るなどもいいでしょう。食事やサプリでタンパク質、ビタミンB1、ビタミンD、カルシウム、アスパラギン酸(もやしやアスパラガスに含まれる)、亜鉛(きな粉やレバーに含まれる)を取るようにしましょう。

 

パターン2<精神的な疲れを含んだ疲労を回復させる>

土曜日の夜に、疲れて帰ってきてそのまま寝てしまい、日曜日の昼過ぎまで寝ていて、起きると疲れが増していた。

もし疲れが取れていないようであれば、精神的な疲れの可能性があります。精神的な疲れに関しては正しく理解して休まないと、疲れが取れずさらにストレスを溜めてしまうこともあります。

精神的な疲れには軽い運動や、太陽の日を浴びるなど本人がリラックスできることをすると効果的です。また、ビタミンB1、カルシウム、マグネシウム(そば、玄米、納豆などに含まれる)、パントテン酸(納豆、なめこ、舞茸、アボカドなどに含まれる)、ビタミンC、トリプトファン(豆類、アーモンド、乳製品に含まれる)などをサプリや、食事に入れることでイライラが緩和される可能性があります。

 

部屋でもオフィスでもできるリフレッシュの方法!

さて、軽い運動と言っても普段運動をしない人には何から手をつければいいかわからないと思います。ここでは、誰もが簡単にできるリフレッシュ方法をお教え致します。

まず、やって欲しいのが「伸び」です。猫みたいに、「んーーーーー」ってやるあれです。あれは実は本能的に必要な部分が伸びると気持ちよく感じるようになっています。

好きな方向に伸ばして、少しだけとの状態で止まり、その後「だらん」と力を抜きます。それだけで気分がリフレッシュします。ストレッチと聞くと、反動をつけて、力一杯筋を伸ばそうとする方がいらっしゃるのですが、今回は必要ありません。本能の赴くまま、体を伸ばしてください。伸びをできれば90分に一回はやると効果的です。

もう一つ、ぜひやって欲しいのが「瞑想」です。瞑想というと坐禅を組んで「考えることをやめる」など難しいイメージがありますが、今回試して欲しいのは「呼吸の音を聞く」だけです。

会社にいるのであれば椅子に座ったままで結構です。目をつぶり、鼻で呼吸をします。そして、「うーん」と少し唸るように呼吸すると音が出ます。その「呼吸の音を聞く」だけです。簡単ですよね。タイミングはいつでも構いません。こうすることで、精神がリフレッシュされ、精神的な疲れを回復することができます。

ストレス解消のためには、好きなことを好きなだけやるというのも方法としてありそうですが、これは後で肉体疲労の原因になることがあります。特に暴飲・暴食、遊びすぎなどには注意しましょう。

 

まとめ 

それではこれまでのおさらいです。自分の疲れが精神的なものである可能性を感じたら、以下の3つを実行してみてください。

1)足りない栄養を補給

忙しい方はサプリでも結構です。イライラを解消する栄養素を摂取しましょう。

2)ストレッチ

90分ごとに伸びるだけ。お手軽ですよね。

3)瞑想

目をつぶって鼻で呼吸をしながら、「呼吸の音を聞く」だけ。

お手軽にできる精神的なストレスの対処法です。精神的なストレスは人生100年時代と呼ばれる今、健康寿命に大きく関わってくる部分なので、ぜひとも今から対策を心がけたいですね。

 

<参照先>

マイボイスコム株式会社「疲れ・疲労に関するアンケート調査」2018

アリナミン「疲れの基礎知識」

EPARK「内科医が実践している疲れない体の作り方」