列島中が記録的な猛暑に見舞われた2018年でしたが、思いのほか残暑は過ごしやすい気候になってきました。とはいっても日中は汗ばむような陽気になることもあり、その一方で夜寝るときには肌寒い。そんな夏から秋への季節の変わり目は、実は体調を崩しがちな時期です。そして、この時期に「なんか体調が良くないなぁ……」と思ったならば、それは「秋バテ」かもしれません。

 

暑くないのにバテてしまう「秋バテ」とは?

 

「秋バテ」は夏から秋への季節の変わり目に起きる体調不良のことをいいます。まだ夏場の疲れやストレスを引きずっていたり、涼しくなっても夏の生活スタイルのままで過ごしていたりするとなりやすいといわれています。

 

症状としては「食欲不振」や「倦怠感」といった夏バテに似た症状が多く、「頭痛」や「肩こり」といった寒さに起因すると考えられる症状もみられます。また、身体の疲れから免疫力が低下し、風邪をひくことやインフルエンザにかかる原因にもなったりする可能性がいわれています。

 

2017年に(株)セブン&アイ・ホールディングスが行った『秋バテの自覚や対策に関する意識調査』によると、「夏から秋の変わり目で体調崩した経験がある」と答えた人は全体の71%。この時期に体調不調を感じる人が多い結果となっています。また、同調査では自覚症状はなくとも秋バテに典型的な症状を感じている人は多くいることを指摘しており、潜在的にはもっと多くの人が秋バテになっている可能性もあるようです。

 

主な秋バテの症状

・倦怠感

・食欲不振

・胸やけ・胃もたれ

・頭痛・肩こり

・めまい・

・よく眠れない                         など

 

なぜ「秋バテ」してしまう? その理由とは

 

秋バテの原因は、結論からいえば自律神経の働きが鈍っていることが大きな要因の一つだと考えられています。自律神経の不調は、生活習慣やホルモンバランスの変化によっても引き起こされますが、ストレスもその大きな要因となると考えられています。

 

秋バテの場合、気候が変わっていく中での気圧の変化や寒暖差などの物理的なストレスがきっかけとなります。人は恒温動物ですから体温を一定で保とうとしますが、外気の温度差が激しいとその調整にも苦労するということです。その影響が睡眠や内蔵のはたらきなどにでてくると、さらに肉体的にもストレスがかかり、秋バテが引き起こされると考えられています。

 

Q.夏から秋にかけての体調不良(秋バテ)の原因と思われるものは何だと思いますか

(株)セブン&アイ・ホールディングス調べ

 

また、先に紹介した『秋バテの自覚や対策に関する意識調査』によれば、2人に1人が、暑さ対策である冷たい飲み物・食べ物の取り過ぎを秋バテの原因と回答しています。「秋バテの原因と思われるものは何か」という問に対しては、「冷房の効いた部屋で過ごした」が51.6%、「冷たい飲み物・食べ物を摂取した」が45.6%と、秋バテの原因は身体を内外から冷やすことが原因と考えている人が多いようです。

 

秋バテ対策はとにかく身体を冷やさないこと

 

では、「秋バテになってしまった」、あるいは「秋バテになってしまったかな?」と感じたらどのように対処すればいいのでしょうか。

 

先の『秋バテの自覚や対策に関する意識調査』によると、「秋バテだと感じたときにとった行動で効果的だったものはありますか」という問いに対して、次のような回答が示されました。

 

Q.秋バテだと感じたときにとった行動で効果的だったものはありますか(複数回答)

(株)セブン&アイ・ホールディングス調べ

 

男女ともに上位は「ゆっくり入浴して温まる」で、次いで「栄養のあるものを食べる」、温かいものや消化のいいものを食べて、とにかく身体を温めることに努めています。

 

また、同調査報告では内臓の冷えを解消する「保温」と「栄養摂取」を対策として推奨し、次のような対策を勧めています。

 

秋バテの主な対策法

1.靴下や腹巻きなどを活用し、3つの首「首元、手首・足首」といった体の末端や体芯を温める

2.なるべく湯船に浸かるようにして、疲労を翌日に残さない

3.寒暖差を考慮して外出時に上着を一枚持参し、体を冷やさない

4.飲み物は常温、食べ物は温かいものを摂取するように心がける

5.消化のよいものを食べるよう心がけ、胃の負担を少しでも減らす

6.ビタミン、ミネラルなどの栄養を含んだ食材を摂るようにする

 

 

まとめ

 

昼間は温かいからといって、冷たいものを飲んだり食べたり、エアコンをつけたりしていると、夜になっても身体が冷えたままで、知らないうちになんだか疲労感を覚えるということは確かにあるかもしれません。秋バテは仕事や日常生活に影響が出ることはもちろんのことですが、この季節は秋の味覚が美味しい季節でもありますし、食欲がなくなるなんてちょっともったいない気もします。

 

秋を過ぎればすぐに年末。忙しくなっていく時期です。体調万全で乗り切っていくためにも、この季節の変わり目、あまり身体を冷やさずに過ごしたいものです。

 

 

<参考URL>

PR TIMES 株式会社セブン-イレブン・ジャパン【プレスリリース】「夏の過ごし方で秋に体調を崩す!?約90%の人が秋バテの自覚がない「隠れ秋バテ」?10代から秋バテを感じ始める人が約40%」

MONEY PLUS「もしかして 秋バテ? 秋に増える意外な体調不良とは」