今年の夏は連日猛暑が続き、熱中症への危機感が高まっていました。記録的な猛暑が続いた中、総務省消防庁は2018年7月24日に16~22日の1週間で、熱中症で救急搬送された人が全国で2万2647人(速報値)に上ったと発表しました。2008年に統計を取り始めて、過去最悪ともなるこの事態に、テレビやインターネットなどでは、日々警鐘が鳴らされています。

 

熱中症は自分だけが注意していれば防げるものではありません。正しい知識がなければ、「ちょっと体調が悪いな」程度にしか感じず、知らず知らずのうちに症状が進んでしまうこともあります。熱中症にならないための組織的なルール作りや周囲でお互いに注意しあうなどの警戒が必要になります。

では熱中症をおこさないためにはどうしたらいいのでしょうか。その方法はたくさんあるとは思いますが、今回は熱中症を亡くすべく活動しているプロジェクト「熱中症ゼロへ」を参考に、その方法を見ていきたいと思います。

 

 

「熱中症ゼロへ」プロジェクトとは

 

「熱中症ゼロへ」ホームページ

「熱中症ゼロへ」とは熱中症にかかる方を減らし、亡くなってしまう方をゼロにすることを目指して一般財団法人日本気象協会が推進するプロジェクトです。多くの企業、自治体、公益団体がパートナー、協賛として参加しており、それぞれの立場から熱中症を亡くすためのアプローチを行っています。

「熱中症は、正しく対策をおこなうことで防げる」を基本的な考えとして、熱中症の発生に大きな影響を与える気象情報の発信を中心に、積極的な熱中症対策を呼びかけています。2013年にプロジェクトを発足させて以来、活動の規模を拡大させながら、2020年の東京オリンピックを見据えて、さらなる充実した啓発活動を実践しています。

 

その啓発コンセプトは至ってシンプル。

 

1 知って

2 気づいて

3 アクション

 

以上の3ステップ。知識を伝えるだけ、危険度を発信するだけ、対策アクションを推奨するだけではなく、「正しい知識のもと」、「危険に気づいて」、「正しいアクション」を促すという効果的な熱中症対策の実現を目指しています。

 

 

正しい知識を知った上で熱中症の対策をする

 

熱中症という言葉を知っていても、その症状にどんなものがあるのかを正しく理解している人は多くはないかもしれません。もちろん完全に熱中症が起こるメカニズムを理解するには知らなくてはならない知識はたくさんありますが、「熱中症ゼロへ」プロジェクトのホームページでは、最低限これだけわかっていればという知識を専門家の監修の下、発信しています。

そのポイントは大きく以下の3つです。

 

1 熱中症の症状について

2 予防と対策の方法

3 実際に熱中症になったときの応急処置の方法

 

具体的な熱中症の症状がわかるほか、実際に誰でもできる対策や工夫などを紹介。応急処置の方法もわかりやすく解説されています。

 

また、わかりやすく熱中症を学べる動画配信や暑さにまけない食事のレシピ、識者の対談など、熱中症を亡くすための充実したコンテンツがあります。こういった専門家の知識を活用して、熱中症にならないように準備していきましょう。

 

 

熱中症の危険性に気づくために

 

熱中症の危険性に気づくためには、とにかくその危険性を繰り返しアナウンスしていくことが大切です。「熱中症ゼロへ」プロジェクトではイベントによる啓発活動のほかにも、気象予報士によるセミナーや全国にクールスポットを設けるなど、熱中症を亡くすべく活動しています。

 

また、ホームページ上ではパーソナルデータをもとにしたセルフチェックや、日本気象協会が発表する地域毎の気象傾向、1日3回更新される患者予測数と熱中症情報などもあり、常日頃から熱中症に対する危機意識を持つならばチェックしておきたいところです。

 

危機意識を予め持っておくこと、そしていざというときに涼しく休める場所をつくることは大事なことになります。わかっていても色々な事情からなかなか対策ができないこともあるかもしれませんが、やらずにあとで後悔しても遅いのです。やれることはきっちりやって、熱中症にならないよう対策しておきましょう。

 

 

まとめ

 

熱中症対策は、正しい知識に基づいた準備が欠かせません。また、熱中症になるかどうかはその日の自分の体調や環境にも大きく左右されるものです。今まで大丈夫だったから大丈夫なはずだ。そんな油断が熱中症の引き金になりかねませんので、とにかくしっかりとした対策が望まれます。

報道からもご存知の通り、熱中症は最悪死亡する恐れもあるものです。また、屋外のみならず、屋内でも発生いたしますの、重ね重ねになりますが警戒して、今年はもちろん、来年以降も猛暑を「熱中症ゼロ」で乗り切りましょう。