建設会社の仕事と言えば「キツイ、汚い、危険」と言われマイナスイメージを持たれている傾向にあります。現場事務の仕事も男性が多い印象で嫌厭されがちですが、実は女性にお勧めの職種でもあります。今回は現場事務の仕事と面白さを紹介します。

 

建設現場の事務は一般的な事務仕事と違う?

現場での事務の仕事とはどんなことをするのでしょうか。いわゆる「キツイ、汚い、危険」は現場事務でもあるのでしょうか。一般的な企業のいわゆるオフィスの事務とはどのように違うのか見ていきましょう。

現場事務とは主に建築現場に建てられたプレハブの中で事務仕事をする人のことです。実際に建物を作る作業員や現場監督を支えるのが仕事です。現場事務員として働くひとの年齢は20代から50代と幅広く、年齢問わず様々なひとが働いています。家庭を持つ主婦の方なども多いのが特徴です。場所はプレハブが一般的ですが、都内のビル街などでは別に仮オフィスを借りることもあります。服装は作業着などの制服の場合が多いようです。オフィスカジュアルなど私服のところなどもあるようですが、ハイヒールなどは歩きにくい現場付近を歩く際危険なので避けた方がよいでしょう。

では実際の仕事内容はどんなものがあるのでしょう。

 

・書類作成・整理

まずは書類作成やコピー、ファイリング。これは一般の事務と変わらないですね。ただ、製図ソフトを使用できる方などはCADを使って図面の作成をされることもあります。もちろん純粋な事務として登用された場合はその作業はありません。月末は請求書などの作成などで忙しくなることもありますが、パソコン仕事も少ない現場も多いようです。

 

・電話対応

これも一般の事務でもある業務と思います。電話の取り次ぎや得意先への連絡などは多いでしょう。

 

・掃除やお弁当の発注

いわゆる雑務です。事務所の掃除や来客時のお茶出し、郵便物の受け取りや発送、備品の手配や管理など。現場事務ならではといえるのは作業員のお弁当の手配でしょう。建築現場周辺は商業施設やコンビニなどが遠い場所が多いため、作業員のためにお弁当の手配をすることがあります。

 

以上のように作業の内容自体は一般事務とさほど大きく違うことはありません。難しかったり専門的な知識が求められることはそうないため、働く場所がオフィスから現場に移っただけという認識でも間違いありません。力仕事もないので「キツい」ということはないでしょう。作業中の作業員が出入りするためとてもきれいな場所とはいえませんが、掃除も事務の仕事なので自分でしっかり行えばそこまで「汚い」環境ではないでしょう。そして現場で実際に作業するわけではなく事務所内での仕事ですから「危険」ということもありません。

 

現場事務の面白さ・やりがいとは?

では現場事務の仕事には、どんな面白さややりがいがあるのでしょうか。

 

・工事が完成したとき達成感を得られる

実際に作業をしていなくても、作業員や現場監督の手伝いをするのが現場事務の仕事。すぐ近くで工事をしている過程をずっと見守っているわけですから、完成したときの達成感と現場の一体感は大変なものです。作業員が気持ちよく工期もスムーズに進めば、作業員をアシストしているという自負にも繋がりモチベーションもあがります。

 

・建物がどうやって作られるか直に見ることができる

建築途中の建物をみることができます。建築好きなひとはもちろん、建物に詳しくなくても普段はなかなか見ることのできない建物の構造などは興味を引かれるでしょう。所長や現場監督に、関係者以外立ち入れない内部を解説してもらいながら案内してもらえることもあります。

 

・女性の少ない環境なのでしがらみが少ない

現場作業員はやはり力仕事が多いため、女性作業員はまれです。必然、女性は現場事務員のみということが多いでしょう。現場事務員も人数が少ない現場が多いですから、回りに働く女性が少ない環境です。作業員の男性たちは数少ない女性に配慮や気をかけてくれることが多く、大切に扱ってくれます。また女性同士に起こりがちな派閥やいがみ合いなどとは無縁ですので、女性同士の付き合いには疲れてしまうという方は向いている環境です。

 

・いろんな職種のひととコミュニケーションを取れる

現場事務所には作業員や職人たちが休憩を取りにくることもよくあります。その際に話をしたり愚痴を聞いたり、相談に乗ったりアドバイスをもらったり、逆に缶コーヒーをおごってもらったりとたくさんのコミュニケーションが生まれます。事務所には作業員ばかりでなく社内外の多くの関係者が出入りしますのでベテランの職人から貴重な体験談を聞けることも。

作業員や現場監督などとのコミュニケーションも大事な要素なので、話好きだったり気配りのできるひとが向いています。

 

・おしゃれや「ルーティンワーク」好きには向かない

上でも書きましたが、現場では基本的に制服で、動きやすい服装が基本です。おしゃれが好きだったりネイルやヒールの高い靴を好む方には向いていません。また現場は日々作業が進むため、毎日同じ仕事ではありません。それは現場事務も同じで、日々の作業の進行により必要とされる仕事が変わります。決められた仕事を淡々とこなすよりも自分で業務を組み立てたり工夫することが評価される職場です。

 

建設現場の事務に求められるスキル・活かせる資格は?

一般的な事務では必須の資格というものはありませんが、現場事務ではどんなスキルがあったら活かせることができるのでしょうか。

 

・簿記

一般事務でも持っていると使える資格です。請求書の整理やお金の計算をするのは現場事務でも同じですので、持っていると重宝することは間違いないでしょう。

 

・CAD

製図ソフトであるCADを使うことができればかなり現場で重宝されるでしょう。現場で設計やデザインに変更があった際など、その場でその変更に沿ってデータを修正することができます。

また正式なCADオペレーターになるには実務経験が求められますが、現場事務との兼務であれば未経験者でも実務経験を積むことができるのでスキルアップをするチャンスです。実際に現場で使われている製図を目にできますので、良い経験になること間違いありません。

 

・建築業経理士

建築業では需要の多い資格です。簿記や経理の経験の必要がなく、4級からあるので自分のレベルに合わせて誰でも受験できます。現場で重宝されるのは2級以上のようですが、専門用語を覚えるという意味でも3、4級から受験するのも良いでしょう。ここで得た知識は建設業に関わる簿記や会計学、原価計算など実務に直結しますので取得するメリットは高いでしょう。

 

おわりに

現場事務は裏から工事現場を支える縁の下の力持ちです。気配りができる女性にはぴったりな職種ですし、仕事内容も女性が働きやすいものです。これからのキャリアに現場事務という選択肢を加えてみるのはいかがでしょうか。

 

 

参考

OZmall『建設系の現場事務について』

転職グッド『工場、倉庫事務などの生産関連事務職に向いている人、向いていない人』

まっすーすたいる『現場事務はきつい?大変?メリット・デメリットを徹底解説』

スタッフアクティオ『現場事務ってこんなお仕事』

まっすーすたいる『現場事務とは?仕事内容・面白さ・求人を解説【実は知られてない】』

建設業経理士の業務ブログ『現場事務に必要な資格』