激務の現場監督の給料相場はどれぐらい? 現場監督と言っても施工管理技士の資格を持っている人と、持っていない人では仕事内容も違います。それに伴い待遇もかわってきます。資格がある、なしそれぞれの現場監督の現状を紹介します。
現場監督ってどんな人?
最初に現場監督について簡単に説明します。
・現場監督の仕事
現場監督の仕事は、土木工事、建設工事、住宅建築などの現場を監督する人のことです。そしてどの現場にも現場監督と言われる人は必ず常駐し、工事の進行を確認しています。そんな現場監督の主な仕事のひとつは、現場の工程管理です。下請け業者が多数、出たり入ったりする現場では、いつ、どのタイミングでどの業者が入るかはとても大切です。この計算を間違えると下請け業者同士が同時に入ってしまったり、反対に業者が入らなかったりして現場は休業状態になってしまいます。そうすると工期が遅れ、予算がオーバーしてしまうこともあります。無駄なく、円滑に、そして計画的に現場をまわす、それが現場監督の仕事です。
・施工管理技士をもっている人の仕事
現場監督と一言で言っても、実は施工管理技士の資格を持っている人とそうでない人では仕事の役割分担がかわってきます。現場を指揮する立場にあるというところでは、資格の有無は関係ありませんがそこから先、専任技術者、監理技術者、主任技術者を目指すなら施工管理技士の資格は必須です。
・施工管理技士をもっていない人
現場監督は施工管理技士の資格がなくてもなることはできます。実務を経験し、実績を積んで現場監督になる人も大勢います。そんな現場監督の仕事は、先ほども紹介したように現場の管理です。またほかにもクライアントへの説明、クレーム対応や地元の説明会への参加なども業務の中には入ってきます。労働者が働きやすいように、現場の環境を整えることが、メインの仕事です。
施工管理技士とはどんな資格
では施工管理技士の資格についてみてみましょう。
・施工管理技士は国家資格
施工管理技士とは建設業法第27条に基づく国家試験です。そして種類も建築機械、土木、建築、電気、施工、造園、電気通信と分かれていて、その中でも1級と2級があります。下の表にまとめてみました。
種類 | 取得資格 | |
建築機械 | 1級建築機械施工技士 | 2級建築機械施工技士 |
土木 | 1級土木施工管理技士 | 2級土木施工管理技士 |
建築 | 1級建築施工管理技士 | 2級建築施工管理技士 |
電気 | 1級電気工事施工管理技士 | 2級電気工事施工管理技士 |
管工 | 1級管工事施工管理技士 | 2級管工事施工管理技士 |
造園 | 1級造園施工管理技士 | 2級造園施工管理技士 |
電気通信 | 1級電気通信工事施工管理 | 2級電気通信工事施工管理 |
施工管理技士の資格の取得を考えるとき、今後どんな現場で働きたいかによって目指す試験がかわってきます。
施工管理技士検定についてはこちらを参照➡国土交通省
施工管理技士にしかできない仕事
資格がなくても現場監督にはなれますが、施工管理技士の資格がないと就けない役職があります。それが専任技術者、主任技術者、監理技術者です。それではどんな仕事をするのか、みてみましょう。
・専任技術者
建設業許可を取得するときに、営業所に一人は専任技術者がいないと許可がおりません。そして専任技術者がなんだかの理由で退職してしまった場合は、建設業許可が継続できなくなるぐらい重要なポジションです。主な仕事内容は工事方法の検討や、クライアントへの説明や見積もりの作成です。どちらかというと、現場で直接手腕を発揮するというよりは、営業所にいることが多い仕事です。
・主任技術者
監理技術者がいない現場では、必ず主任技術者を配置することが義務付けられています。仕事内容は現場が円滑にまわるように、細かいところに目を配る監督です。工程の管理だけでなく、施工の計画を立てる。ほかにも働きやすい現場の環境を整える。また資材の品質を管理したりします。現場におけるすべてのことに責任を持つ立場になるため、主任技術者になるためには、資格だけでなく実務経験が大切になります。
・監理技術者
特定建設業許可が必要となる大きな現場では、主任技術者ではなく監理技術者を配置することが法律で義務づけられています。仕事内容は、現場で人、物を管理する主任技術者と同じですが、工事の規模が大きいためさらに厳しい資格が必要となります。建設業技術者センターに申請し、審査が通れば監理技術者として認定されます。
現場監督の給料と待遇
次に資格を持っている現場監督と、そうでない現場監督の待遇面についてみてみましょう。
・資格のない現場監督の平均年収と待遇
現場監督の平均年収はおおよそ338万円前後で、比較的いい方です。しかし現場監督になるためには、資格があるなし関係なく実務経験は絶対に必要です。一から現場に入り、雑用などをこなすなどの下積みから始めることを考えると、現場監督の平均年収が高いのは納得です。ただし待遇面に関しては業務の内容が幅広く激務です。
・資格のある現場監督の平均年収と待遇
施工管理技士の資格がある場合の年収は平均が450万円前後と言われています。また1級の施工管理技士の資格がある場合は年収も上がり600万円前後になります。ただしオリンピックなど大きなイベントがあるときは、それにともない建設現場は忙しくなるため、人手を確保するため、当然、給料も高くなり年収もあがるので一概には言えません。
・企業規模、地域別による格差
年収について説明しましたが、大手ゼネコンと工務店ではもちろん年収に差がでます。また地方と都市部の事業所によっても、当然ながら年収には差があります。
・大手ゼネコンと工務店
大手ゼネコンと工務店では平均年収にだいたい80万円ぐらいの差があるようです。しかも業務内容もかなり違うようで、工務店で働く現場監督の実情は、サービス残業も当たり前の厳しい環境にあるようです。ただし敷居は工務店の方が低く、20代後半でもやる気と実力さえあれば現場監督になることも可能です。
・地方と年収
地方によってもやはり年収格差はあります。一般的には都心部が有利ですが、大きな震災などがあり工事が早急に必要とされている地域では、仕事がいっぱいあるため収入も高くなります。また現場監督の年収のピークは50代ですが、施工管理技士の資格さえ持っていれば、60代でも派遣として働くことも可能です。
まとめ
施工管理技士の資格がある人も、ない人も現場監督と呼ばれています。しかし同じ現場を管理する仕事ですが、資格がないと就けないポジションもあります。そして年収は資格がある、なしだけでなく働く企業の規模や地域によってもかわってくるようです。
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